飲食業の人は必見!と言うより絶対理解しなければならない、生産性のお話

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にんじうりあげだか

「にんじうりあげだか」って知ってます?
なんじゃそれ?って人多いと思います。「にんじん」じゃないですよ。

「人時売上高」ではどうでしょう?
少し見えてきました?
今回はその人時売上高の話です。

主に、飲食業に使われる指標で

売上高÷総労働時間数

で割り出される指標です。
単に生産性と呼ぶ場合もあります。(正確には違う指標になるのですが。)

例えば、1日10万の売上があったとして、社員、アルバイトさんの総労働時間が25時間だとしたら、人時売上高は、4,000円という事になります。
一般的に飲食業の場合、3,500円〜5,000円はないと生産性が低い、利益が出にくいと判断されます。(もちろん業種によります。)

実はこれが飲食業界では大変な曲者で、私の現役時代など100円の生産性を上げるのに必死の思いをした事があります。

担当していた店舗の月商が1,500万円として、目標生産性5,000円の時、実数値が4,800円位だったとすると、実に125時間オーバーしている事になります。
目標値5000円だと総労働時間3,000時間。(1500万円÷5,000円=3,000時間)

実数値が4,800円なら3,125時間。(1,500万円÷4,800円=3,125時間)

125時間って言ったらアルバイトさん月2名分くらいの時間数です。

これくらい、人時売上高は大切な指標です。
では人時売上高を上げるには?言い換えると少ない人数で売上を取るには?の話をしたいと思います。

マクドナルド

人時売上高を上げるコツは?

一番簡単なのは、「商品アイテムを少なくする。」です。

例えば牛丼屋さんなんかがこれに当てはまります。(最近はアイテムが増え少し変わってきましたが。)
商品数が少ないとオペレーションへの負担や、注文時の負担が減り生産性が上がります。

この辺は簡単ですね!

昔、博多の「元祖長浜ラーメン」を食べに行きました。
このお店の商品は、ズバリ「ラーメン」と「替え玉」の2種類のみ。

入店した瞬間、奥のおばちゃんが人数に合わせて「1杯!続いて3杯」とコールし、もちろん注文伺いなど全くなく、着席後30秒ほどでラーメンが出てきました。

究極の単品商売です。笑。

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チェーン店の陥りがちな生産性のワナ

私が昔勤めていた会社、マクドナルドは外からみると生産性が高そうです。

マクドナルドができた頃(1971年)は、確かに高かったと言えます。

日本にやってきた頃は、メニューも少なく、(17品目程度しか無かった。)またストックオペレーション(覚えてません?店員さんの後ろに保温されたハンバーガーが大量にストックされていた事。めちゃ早で提供できるシステム。)だったので、生産性は高かったと言えます。

しかし、昨今のメニューのバラエティ化、バーガーの作り方の変更、そして後述する理由で今や外食産業の中でも低生産性の部類に入る業種となってしまいました。

なぜ低生産性になってしまったのか?
その答えは「システム化された分業制」にあります。

マクドナルドはマニュアルが有名ですが、システム作りにも定評があります。

システムが充実しているのには必然的な理由があります。それは「ごく一般的な人を即戦力化」しなければならないから。

言葉は悪いですが、ついこの間まで中学生をやっていた、なんちゃって高校生をそれなりの人材にする!と考えて頂ければイメージしやすいかも知れません。

そのためマニュアルとシステムが異常に充実しています。
(このマニュアルとシステムの話も追々していきたいと思いますが、今回は生産性の話です。)

「普通の人を即戦力化する」
一瞬、おおっ!凄!って思えるフレーズですが、逆の見方をすると、
目標タスクをどんな人でも出来る仕事に細分化する」という事です。

例えば、お店のマネジメントをいきなり高校生に任せる事は出来ません。(最終的にはさせるんですけどね。笑)

では、発注は?とか、経理は?とか、こーやってどんどん仕事を細分化していきます。
その結果、「ポテトだけならプロ」というトレーニングをします。

めちゃくちゃ大雑把な言い方をすると、「マクドナルドは各部署のプロの集まり」と言えます。
このシステムが、高度経済成長時代からバブル終焉までの間、時代にドンピシャとハマりマクドナルドは一躍外食産業の雄となりました。

しかし近年、他社で高度なマネジメントシステム、オペレーションシステムが開発され、今この分業制システムが足かせになってきています。

マクドナルド本来のシステムは、大量販売には合いますが小生産ロットには合わないということです。

マクドナルド経営

現在のキーワードは「マルチタスク」

外食産業に限らず、各部署の業務内容を知っていれば生産性は上がります。
営業部の人と一緒に技術部門の人が同行する。というのもある意味マルチタスクと呼んでいいかも知れません。

自分のポジション以外の仕事を知っている、出来る!
多くの人材がこのような状態になったとき、生産性は飛躍的に上がります。

私がいつも行く、餃子屋さん。
いつ行ってもお客さんがいっぱいです。
でも(外食経験者の私から見ても)びっくりするくらいの少人数でスムーズに運営しています。

一人一人の動きを良く観察してみると、一人最低3種類以上の仕事をこなしています。
「あれ?あの人さっきまで餃子焼いてたのに。。配膳に回ってそのままテーブル拭いてる。」
(衛生面の問題点はあるのですが。笑)驚異的な生産性です。

生産性の事が気になったら、お近くの飲食店に行って店員の動きを観察してください。
「自分の割り当てられた仕事だけをこなしているだけ」「ぼーっとしている時間が長い」スタッフがいたら、明らかに生産性の低いお店です。

もちろんこのことは、飲食店だけでなく会社運営にもそのまま当てはまります。
会社の利益の元となる「生産性」について一度考えてみませんか。

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