続・飲食店の生産性のお話!大阪・つるまるうどん

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高い生産性で利益確保

生産性の高い飲食店としてサイゼリアが有名ですが、ここはあえて別の会社を例に挙げてみたいと思います。

その会社は、大阪の「つるまるうどん」です。(すみません、ローカルネタで。)

このお店、いつの間にか街角に現れて、あれよあれよという間にあちこちにある気がしませんか?

それもそのハズ、この会社の親会社は、まいどおおきに食堂や串家物語、かっぽうぎなどを全国にチェーン展開しているフジオフードシステム。チェーンオペレションシステムの確立やブランディング化など慣れたものです。

さて、そのつるまる饂飩。食べた事ある人いますか?

かけうどん210円、つまり駅前うどんと同価格帯で、なおかつ美味しい。店内はセルフスタイルの立ち席メインの簡素な作り。全体イメージは讃岐うどん屋さんって感じです。

つるまるうどん経営

つるまるうどんの強さ

つるまるうどんは、何がすごいのか?それは「割り切り」です。

今主流のうどん屋さんは、製麺機を導入にして、自家製麺、打ちたてである事を売りにしています。(例:丸亀製麺所)

しかし、このつるまる饂飩の麺は、なんと「冷凍麺」です。

冷凍麺をサッと熱湯にくぐらせて、うどんつゆかけて、ハイっ出来上がり!かけうどん1杯にかかる時間は、15秒から20秒程度。めちゃくちゃ早いです。

その後、天ぷらや、おにぎりをセルフで取って最後にお会計をするシステムです。

メインの饂飩はすぐに作る事が出来るし、客単価を上げる為の天ぷらや、売りの一つである鶏めしはアイドルタイム(暇な時間)を利用して作る事が出来る。揚げたてでなくていい。←ここも割り切ってます!

元外食の経験者から見てもかなり高い生産性です。
(うどんは210円だがいろいろ付けると結局500円とか600円になる。)

この生産性は、本来うどん屋が一番こだわらなければならない製麺「冷凍品でいく」と割り切ったから可能になったものです。

味に関しては、その場で作る麺が旨いでしょう。(旨くない店もありますが。)

しかしこの会社は「万人がまぁまぁ旨いレベルを達成できるなら冷凍麺での提供でもええやろ。」と考えた訳です。

もちろん冷凍麺とはいえ、美味しくなるようこだわって作った麺を急速冷凍しているので、正直、駅前うどんと同価格帯とは思えないくらい美味しいです。

この会社の顧客ターゲットには「饂飩は手打ちが一番」の方は入っていません。完全に割り切っています。

今日のお話は、誤解があるとまずいのですが、ちゃんと手間暇かけなければならないものは、かけないといけないと思います。

例えば、牛丼チェーン店。

あるチェーンは食券で注文します。

別のチェーンは注文を聞きにきます。

一方は効率を追求し、もう一方は顧客との接触を重視しています

大手ハンバーガーチェーンも同様です。店前に食券を置いて注文を取れば、早く応対する事ができます。

しかし、顧客との接触(感情、情報のやりとり)を重視しているので、自動販売機のような売り方はしていません。

その企業に於いて、何を重視するのか?を見失うと誤った生産性の追求となってしまいます。

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